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日々のこと⑧

火葬料イメージ

こんにちは、仏光社の藤本です。

私がまだこの業界に入って間もないころ、ご会葬に来られた方にこんなことを

尋ねられたことがあります。

 

「故人の亡くなった年齢を表すのに享年と行年があるけど、どう違うん?」

 

この質問は、葬儀社スタッフがもっともよく受ける質問の1つらしいです。

 

そのあと詳しく調べてみたのですが、結論から言うと、あきらかな違い、または厳しい

決まりはない、ということでした。

 

どちらも故人が存命していた歳月を表します。

 

『享年』は、古くから漢文で使われていた言葉で、天から享けた年数という意味があり、

何年生きたかを表す言葉です。

この世に生きた年数なので、『享年〇〇』と最後に歳はつけないのが特徴です。

しかし近年では、テレビニュースなどでも歳をつけて読んでいることもありますし、

江戸時代の文献などにも「歳」をつけているものがあるそうなので、歳を付けていたとしても、

必ずしも間違いではないようです。

 

『行年』は、娑婆(人間界)で修行を積んだ年数を意味し、この世に生まれて

何歳まで生きたかを表す言葉で、『行年〇〇歳』と表します。

 

どちらも昔は、満年齢の考え方がなかったので、年齢の算出方法は数え年でした。

 

数え年とは、生まれた日を1歳とし、その後は新年を迎えるたびにみんな一斉に年を取ります。

たとえば、12月に生まれた子供は、生まれた瞬間に1歳となり、

次の月(正月元旦)になると2歳になるのです。



この数え方は、年回忌や七五三、厄年などに残っています。

 

これに対して満年齢は、歴史的に見てまだ比較的新しい年齢の数え方です。

説明するまでもなく、生まれた時を0歳として、誕生日を迎えるごとに1歳年を取ります。

法律によって、公的な場では満年齢を使うことが義務づけられていることもあり、

現在は満年齢しか使わないですね。

 

そして、ここからが皆さんの一番知りたいことだと思いますが、享年と行年、年齢の算出方法は

どれを使ったらいいのかです。

 

答えは…答えられません、です。

 

なぜかというと、実はそれぞれのお寺様によって考え方が違うからなんです。

寺院では年齢の表記は昔から決まっていて、過去帳やお位牌に刻まれています。

 

例えばお墓に彫るのはどっちにしたらいいのか迷われたとき、菩提寺がありましたら

ご住職様にお尋ねください。

菩提寺がないのであれば、墓石にすでにご先祖様の年齢が刻まれていれば、

それに統一するほうがいいかもしれません。

全く新しいお墓であれば、好みの表記で彫ることも出来ると思います。

 

また、法要の案内やお礼状などには、一般的になじみのある記載にしてもいいかと思います。

 

このような曖昧な感じはいかにも日本的で、古の習俗として感じられてはどうでしょうか。

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